マグデブルグのアモバン



あたしを啓蒙しようとする
バネサスペンションのように執拗なその男は

けっして二階へは上がってこない。


奈落の床に屹立して

あたしの下履きの匂いばかりを気にしているから――










何にもねえってこたァねえだろ?


何か、
少しはあるんだろ?

その中にさ・・





大体よ、

こんな質量の権化みてえな
鉄の玉が


『何にもねえ』


ってのを
封じ込めてるだなんて

この俺様が信じるとでも
思ってんのかい?


真空ホントウニナニモナイってな何だい?


人間死んだら
何にも残らねえ

ってなこと
言いなさるが


何も人間ばかりじゃねえ

完全に無くなるもんなんか

俺ァ
一つだって思いつかねえ




だから俺ァよ・・



鉄の玉をこじ開けて

この目でしっかりと

その『何もねえ中身』

ってヤツを
確かめてえのよ・・















嫌!嫌!嫌!


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