アモバン*サファリング



明け方近くの東中野で、
あたしはアスファルトにこびりついたアラビアガムの死骸にキスをしていた


フランネルのスーツを着崩した築六十年の敬虔なマンションは
ニーソックスに折り畳まれたあたしの鉄路を一瞥した後、
彼の男が待つであろうケイジの中へと戻っていった





あたしの代謝物を網羅したゴミ集積所で

官僚的な鴉が腐敗したキャベツ芯の記憶を啄む













それはあたしが最後に見た


あたしだった






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